Photo by Mie Kasahara

概  要  蔵の街として知られる川越の7か所の蔵空間を使って、9人の現代美術家が造形表現を展開する。

 

 

会  期  2015年11月3日(火祝)~11月23日(月祝)

       (※開場によって開催時間が異なります。詳細はこちら

開催趣旨

<現在の川越>

 2009 年、NHK テレビの連続ドラマで「つばさ」が放送されました。そのことで川越は、一躍、全国から注目を浴びるようになります。ところが終了後、その反響を利用した振興策がうまく展開されていないように思えます。川越がその魅力を発揮し続けるためには、地域の独自性をもういちど見つめ直す必要があるのかもしれません。

<川越と蔵>

 長い歴史を持つ川越には、さまざまな文化的遺産があります。それを示す代表的な言葉は何と言っても「蔵の街」でしょう。戦火を逃れた川越には、蔵まち通りを中心に数多くの土蔵が極めてよい状態で残されています。ここを切り口とした新たな文化の創出が、川越をさらに発展させるための推進力になると思われます。

Photo by Mie Kasahara

蔵空間と現代美術

 川越ではこれまでも、蔵を利用したさまざまな市街地活性化施策が行われてきました。しかし、同時代の芸術活動を取り入れた事業はまだあまり開かれたことがありません。蔵の構造の特殊性から、音楽や舞踊などの舞台芸術は利用上の制限が多すぎるのかもしれません。

 しかしそうした蔵空間も、現代美術にとっては極めて魅力的な存在となります。なぜなら美術家たちは、歴史的な構造物に対し、常に同時代的な視点から読み直しを行っているからです。実際に、歴史的遺物を今日に蘇らせるための現代美術イベントが、今、各地で盛んに行われるようになっています。

<歴史と現在の融合に向けて>

 川越の蔵は現在、その多くが商業用、観光用に改修され、本来の機能や歴史性が見えにくくなっています。本展では、9名の美術家がそこに潜んでいる歴史性を引き出し、現代的な視点からその視覚化を図ります。彼らのユニークな作品表現を通して、蔵の記憶とその今日的意義について見直していただければ幸いです。

 

 

<今後の展開>

「蔵と現代美術展」は2011年から13年まで3回開催しました。その後1年間お休みをいただき、2015年からは1年おきの開催とすることにいたします。

本展はこれまで、川越の蔵まち通りにある複数の建造物等を使い、街中を散策しながら鑑賞していただくという趣旨で実施してきました。しかし、昨年刊行された「川越アートハンティング・マップ」を見てもわかるように、川越市内では美術に関連した数多くの催し物が開かれています。そこで今後は、同じ時期に川越市内で開かれる展覧会と緩やかな連携をとりながら、さらに多くの方々に親しんでいただけるような催しにしてゆきたいと考えています。

 

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