2013年度(第3回)蔵と現代美術展 開催概要
今回は、長谷川祐子氏のキュレーションにより4名の作家と、川越尚美学園大学の学生により、川越市内の5か所の歴史的建造物においてインスタレーション展示を行う企画です。
コンペティションは川越にゆかりのある若い作家をネット上で公募し、キュレーター・長谷川氏の選考により1名を選びます。くわしくは実行委員会のページの出品応募要項をご覧ください。インスタレーション展示は歴史的建造物の持つ歴史性と現代美術の現代性を融合させることで、それぞれ単体では味わうことのできない空間を作り出し、双方の魅力を相乗的に高めることを目的にしています。結果として川越市民をはじめ多くの人に、蔵造りの伝統文化と現代文化がマッチすることにより、今までにない空間を作る魅力を持つ場所であることを提示していけたらと考えています。
開催会場:埼玉県川越市内・蔵造りの町並み
開催期間:2013年11月3日(日曜)~24日(日曜) (22日間)
主催
⚫️蔵と現代美術展実行委員会
共催
⚫️株式会社まちづくり川越
後援
⚫️川越市
⚫️川越市教育委員会
⚫️川越蔵の会
⚫️川越商工会議所
⚫️小江戸川越観光協会
⚫️川越青年会議所
協力
⚫️川越市立美術館
⚫️川越市立博物館
川越の蔵づくり
観光で川越に来て蔵造りの雰囲気を味わっていただいても、歴史的建造物と対峙して蔵の空間を味わっていただくというような機会は今まであまりなかったと思います。川越の町屋の形式は「蔵造り」が特徴であり、関東の江戸で生まれ発達したのですが、関東大震災で川越以外のものは全て消失したそうです。川越の伝統的な町屋はいわゆるウナギの寝床形式で店蔵・住居蔵・中庭・倉庫蔵等で成り立っています。通りからみやげ物屋を覗いてはみても、ウナギの寝床の中を覗き込ような形で、蔵づくりの空間を堪能することはできません。
現代美術というと“分からない”と言う評をよく耳にします。しかし、現代美術は歴史的遺産ではなく、今を生きる作家の葛藤が生み出した現代の諸物です。梁や柱がむき出しになっている蔵の2階や中庭で、それらの諸物と対峙するとき、現代美術も際立たせてもらえますが、その蔵の歴史的な蔵空間も普段より、より際立つのではないだろうかと考えます。見ていただくのに、蔵造り半分現代美術半分で見ていただけるなら、たいへん結構な話だと思います。川越文化の要素もなかなか複雑で、これを機に川越の理解を更に深めていただけたら幸いに存じます。
展示会場外観
© 2013 蔵と現代美術展実行委員会