「蔵と現代美術展」は、歴史ある川越の蔵づくりと今を生きる現代美術が響きあい、鮮明に蔵の歴史を心に印象づける美術展です。また現代美術の側面からも観ていただく方々の感性に、明るく、前向きに語りかけてきます。 ぜひとも小江戸川越を舞台に立体的に現代美術に親しみつつ、蔵空間の面白さを体感してください。
第3回展のコンセプト「キラキラヒカル」について
蔵の町を歩いていると、明るい関東平野の光と蔵の中のひんやりとした暗さが交互に空間としてあらわれる。そこにとどまっている時間をくぐりぬけるようにして、若い作家たちが、「現代の光」を色や花々や現実をまぶしく超えるような映像によって蔵の空間にもたらす。そこにある光や色や情報はいつの時代のものなのか? 未来的なものと過去のものがいきいきと重なり合う中で、町は別の様相を見せ始める。入沢康夫の詩「キラキラヒカル」のように過去と現在がであう「光」の中で人が出会い、語られる言葉が生まれる。光と言葉が蔵に満ち、人々の中に物語が生まれるための展覧会である。
長谷川祐子
長谷川 祐子 Yuko Hasegawa
東京都現代美術館チーフキュレーター、多摩美術大学芸術学科教授
【学歴】
京都大学法学部卒業
東京芸術大学美術学部芸術学科卒業
東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
【職歴】
1989~1993 水戸芸術館学芸員
1992~1993 ホイットニー美術館客員キュレーター
1993~1999 世田谷美術館学芸員
1999~2005 金沢21世紀美術館学芸課長
2005~2006 金沢21世紀美術館芸術監督
2006~ 現職
【活動歴】
2001 第7回イスタンブールビエンナーレ“Ego Fugal”、総合コミッショナー
2002 上海ビエンナーレ2002 コ・キュレーター
2003 ヴェニス・ビエンナーレ 第50回国際美術展日本館コミッショナー
2006 メディア・シティー・ソウル(ソウル・メディア・ビエンナーレ)コ・キュレーター
2008 「ライフがフォームになるとき―未来への対話/ブラジル、日本」サンパウロ近代美術館
2010 サンパウロ・ビエンナーレ コ・キュレーター
2010~11 「Trans-Cool Tokyo Contemporary Japanese Art from MOT Collection」(バンコク芸術文化センター、シンガポール美術館、台北市立美術館)
2010 第12回ヴェニス建築ビエンナーレ アーティスティック・アドバイザー
2011~ 犬島家プロジェクト アーティスティック・ディレクター
2013 第11回シャルジャ・ビエンナーレ “Re Emerge - toward a new cultural cartography” キュレーター
【審査員・委員】
ウェックスナー・センター・フォー・ジ・アーツ国際芸術諮問委員(2008~)
グッゲンハイム美術館アジア芸術委員(2008~)
香港西九龍文化地区公社理事(2008~2010)
国際美術館連盟現代美術部門CIMAM理事(2004~2008)
ヴェニス・ビエンナーレ審査員(1999)
グッゲンハイム美術館でのHugo Boss 賞 審査員(2002)
キエフピンチュックアートセンターでのFuture Generation Art 賞 審査員(2010)
上海ロックバンド美術館でのHugo Boss Asia Art賞 審査員(2013)
【著書】
『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』(集英社新書・2013)
『「なぜ?」から始める現代アート』(NHK出版新書・2011)
『Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa: SANAA』(Phaidon・2006)
キュレーター 長谷川祐子
© 2013 蔵と現代美術展実行委員会